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最近読んだ本「黄金のバンタムを破った男」

昨日、日能研の車内広告の話をしたんですが、実は、そこからそのまま目線を下げたドア横にデカデカと貼ってあった、顔色ツヤツヤの平ちゃんこと竹中平蔵の写真の方が気になってなりませんでした。アレは早稲田塾竹中平蔵講座の広告でしたね。アレについても色々言いたい事がって、今日書こうかなと思っていたんですが、いきなりブログの1発目で日能研、2発目で早稲田塾に言及してしまうと、まるでこのブログが「教育についてあれこれ語るブログ」ではないかと勘違いされてしまう事をおそれ、先送りする事にいたしました。日記です。これは普段思ってる事を適当に記す事が主な目的です。


僕は鳥頭なんだと思うんですよ。思った事、見聞きした事、学んだ事等片っ端から忘れてしまう。なので、知識がどうしても”点”になりがちで、”線”や”面”として広がってこない。新たに見聞きした物事を、自分の今まで覚えて知っている知識と照らし合わせて、新たな知識として消化して広げて行く、そんなサイクルが回るようにしないといけませんよね。


そんなわけで、もう1個ブログに書く内容を見つけたんですよ、それは「最近読んだ本の話」。これをちゃんとまとめておく事は凄い大事で、上記の知識をちゃんと覚えておく事につながります。


もう1つ、本関係で僕がよくやらかしてしまう会話に、

僕「○○って本が面白かったんですよ〜」
相手「へえ、どんな風に面白かったの?」
僕「・・・えっと・・・・その・・・・・・とにかく面白かったよ!!!」
相手「そうかそうか、、、よくわからないけど熱意は伝わったよ」

というものがあります。
もうこれをやらかしてしまうたびに、その日の夜は眠れなくなってしまいます。「ああ、僕はなんて馬鹿なんだろう、自分が面白いと思った本のどこが面白いかも上手く説明出来ないなんて・・・・」と落ち込んでしまう。
これを回避するためにも、面白かった本、そうでもなかった本を含めて、読んだ本のログを残しとく事は大事かなと思った次第です。



そんなわけで、今回はこれ。
こーれは凄い本ですよ、傑作!(早速何の反省もしておらず漠然とした感想)

百田尚樹「黄金のバンタムを破った男」

「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫)

「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫)

 


こんな事を想像してみよう。
今のボクシングは、階級が17あり、団体も4つ以上ある。つまり、ざっと計算しても世界チャンピオンが最低でも70人はいる世界なのである。しかし、その頃は、階級は8つのみ、団体も1つだけだった。そんな世界で、「ボクシングの世界チャンピオン」の価値はどのくらい高かったのだろうか。
ゴールデンタイムで毎週のようにボクシングの試合が中継され、最高視聴率が50%を超えていた時代の熱狂は、いかほどだったのだろうか。
そんな世界で、日本人で初めて世界チャンピオンを奪取した選手、そして、当時世界最強と言われた選手に勝ち初めての二階級制覇を成し遂げ、5回防衛に成功した選手は、どれだけの人気と名声を得られていたのだろうか。そしてその選手は、その高みに至るまでに、どれほどの努力を積み上げて来たのだろうか。


「黄金のバンタム」と呼ばれた歴代最高とも称されるボクサー、エデル・ジョフレが生涯で唯一破れた相手であるファイティング原田が本作の主人公である。彼のボクシング人生を追ったノンフィクション作品、ということになる。


作品には、原田だけでなく、原田以前・以後のボクサーとそのマネージャーのエピソードが数多く出てくる。それらの1つ1つが、非常に印象的で、端的に言えば「極限状態に達した人間は狂人と区別がつかない」というレベルの狂い加減である。ボクシングを辞めてトンカツ屋を開いた主人が、バイト募集の張り紙を見て来た若者の体格に一目惚れし、そのままトンカツ屋をたたんで2人だけでボクシングジムを作っちゃう話。1ヶ月で10kg以上減量しつつ、コンディションを最高に持って行く為にボクサーが取る行動など、1ページめくるたびに、ため息をついて深呼吸したくなる場面がどんどん出てくる。


それでいて、ぐんぐん読ませる。作者の百田尚樹は、「永遠の0」とか「海賊と呼ばれた男」とかを書いている売り出し中の物語作家である。そして、自身も大学でボクシング経験のあるボクサーである。それだけに、ボクシングに対する圧倒的な熱意と物語としての面白さを同時に成り立たせている。


こう、「息をつかせる間もなく読ませるんだけど、ついため息が出てページを繰る手が止まってしまう。それでもすぐ次に次に進みたくてたまらなくなる」という極めて矛盾した不思議な読書体験を味わう事が出来る貴重な本の1つであろう。
そんな描写の白眉はなんといっても、「黄金のバンタム」エデル・ジョフレとファイティング原田の一戦の章だろう。プロモーター同士の試合を有利な条件で進めるためにルール違反ギリギリの駆け引き、選手の試合に向けての心構えと壮絶な努力、生・テレビ観戦する人々の熱狂、レフェリーの人生とその差配の妙、息をもつかせぬ試合展開の描写。どこをとっても鼓動を禁じ得ない熱いエピソードがこれでもかと伝わってくる。


いやあ楽しかった。


【何が面白いか】
・ボクシングの世界チャンピオンの価値が高く、ボクシング人気が圧倒的に高かった時期の熱狂を感じ取る事が出来る
・ボクシング経験のある物語作家が書くノンフィクションであり、ストーリー・エピソードに熱意がありかつ読ませる内容になっている
・ボクサー・マネージャーの熱いエピソードに触れられ、明日からも自分の道で頑張ろうと改めて決意させられる


こんなところだろうか。


最後に、あるエピソードを。
作者があるボクシング部の監督にある事を訪ねた。
「ボクシングが強くなるのはどんな子ですか」
監督は答えました
「ボクシングが好きな子ですね」
結局、どんな辛い事でも、嬉々としてやれる人間が一番強いのだ。






。。。何故途中から「である」調になったのかわからない。