艦これのイベントについて僕も考えてみた

艦これ楽しいな!

艦隊これくしょん(艦これ)がすごいブームというわけで。私も随分楽しくプレイさせていただいております。
どんなゲームかを簡単に言うと、旧日本軍(今の所)の艦船を二次元女の子キャラにした「艦娘」たちを集めて艦隊を編成し、資源をマネージしながら新しい艦娘の収集と艦隊の強化を進めていく、というようなゲームです。
信長の野望に始まるシミュレーションゲーム大好きの系譜をたどってきている私がこのゲームにハマらないわけがなく、日々資源をチマチマと集めては、出撃してドカーンと闘っているわけであります。



艦これのイベントで論争

さて、そんな艦これですが、期間限定のイベント海域というものが現在展開されております(秋イベントは来週まで)。なにやらそれについてはいろいろとご意見があるようでして、
艦これイベントについての感想 http://togetter.com/li/590386
こういうのとか。
要は、このイベントが、ユーザー100万人に対して、数万人程度のクリアなので、クリア率数%(アクティブユーザー比率で考えたらもうちょっと高いんでしょうけど)なのですが、その為の条件として「運に頼りすぎている」「長時間の貼りつきじゃないといけない」「精神をすりつぶす」などと言った不満が出て来ているという訳ですね
それに対して、「全員クリアできる仕様にしても仕方がない」「むしろ攻略ルートを開拓するところが醍醐味であり、後追いでそのルートを追いかけても運ゲーだと感じるのは当たり前だ」という逆反論もあり、なかなか難しいところですね。



私も考えてみました

それについて、なにやら艦これのゲーム性とは何かみたいな話がいろいろと飛び交っておりましたので、それに便乗して僕もつらつらと考えてみた、というものであります。私は運良くクリアが出来たわけですが、
考えなきゃいけないポイントとしては、
・クリア率数%という指標は妥当なのか
・そのために行うべき仕掛けとはどういうものであるべきなのか
・それを今の艦これというゲームのシステムでどの程度実現出来るのか
ってところなんですかね。


まとめ

・・・というあたりについて、いろいろ考えた結果、すごく長くなったので、まとめを置いておきます。多分こんな感じの事を言いたいんだということで。お時間のない方はこれだけでもどうぞ。

  • 艦隊これくしょんは、ゲームとしてはえらい単純な作りであるので、難易度を調整するための軸が不足している。そのため、運要素をある程度盛り込まざるを得ない。
  • しかし、その運要素によって救われている人もいると思うので、一概に運だからクソではなくて、運の良い人とそうでない人がいる、という話で理解するしかない。
  • 一方で、兵站のゲームとはよく言ったもので、ある程度の運要素は吹っ飛ばせるほど、資源は重要であり、資源がふんだんにあれば割と何とでもできる。
  • なのでプレイの仕方としては、クリアの可能性がある艦隊と資源を準備してしまえば、あとは個別の出撃の結果には一切一喜一憂する事無く、淡々と「資源が尽きるまで出撃を繰り返す」という事になるんだろう。(リアルプレイ時間の制約は多少の救済は必要かも?)
  • ただ、再度言いますけど、その単純すぎるゲームシステムが故に、難易度設定の軸を出しづらいあたり、こういったイベントをプレイさせるゲームとしては、次の広がりを出しにくい、ある種の限界なのかな、という気もする

というもの。




そもそも、ゲームの難しさ、クリア人数の絞り方って何があるんだっけ?


まずその、ゲームのプレイ難易度を上げる軸ってすごい難しいよね。100万人いて、1万人程度しかクリア出来ないぐらいの難易度を設定するときにどうするかって話なんだと思うけど。ではどんな軸でその
指標をクリアさせるようにするか。なんかよくわかんないけどいくつか考えてみた。

パターン①競わせる。

対戦格闘形式か何かで、何勝勝ち抜かないとダメとか。そうでなくても○回チャレンジ権のあるブリーダーズカップで優勝しないとダメ的な。
これのいいところは、強制的に勝者と敗者が出るので、達成者はある程度絞り込むことが出来ますね。相手がいる話なので。
一方で、勝てない人から「不公平だ!」という声が出てくるような気がしますね。何故かと言うと、実力100のA君がいたとして、対戦相手が120のB君になら負けるし、80のC君なら勝てる。じゃあB君とC君どっちと当たるの?というのが明確でないと不公平だ!なーんてことを言い出す人がでるかもわかりませんね。



パターン②選択肢を絞る。

信長の野望でいう「姉小路プレイ」みたいなもの。姉小路を選択した時点で通常のプレイをしてたらすぐ信長が攻めてきて滅ぼされる。そうしないために、限られたリソースをどれに使うか、という。例えばこれを「信長の野望発表後1か月以内に姉小路プレイでクリアせよ」とかだったら、各自で攻略ルートを考えて・・・とかやってるうちに時間切れを迎えて出来る人、出来ない人の差がつくよね。
これでクリアできない人が感じる不公平感は、なんだろう、基本的にそれは「プレイ時間」に依存する、というものかしらね。限られた選択肢からのベストウェイを見つけだして、それが成功するまでトライして結果を確認するための試行時間をどれだけ取れるか。その時間が取れない人間にとっては不公平、というものでしょうな。
まぁその、最近だとすぐ攻略方法がネットでバーっと広まるので、「最善手を尽くして後はお祈り(AIが姉小路を初手ターンで攻めてこない可能性に賭ける」みたいな所まですぐいくので、その時点での成否にかかるという意味では、「費やした時間によって差がでる不公平なゲーム」ではなくて、「運によって左右される不公平なゲーム」という事になるのかもしれません。



パターン③フィジカル勝負

後はなんでしょうね、それこそ普通に「操作系で勝負する」みたいな話なのかもしれません。シューティングとかの避けるゲームや、音ゲーのBPM240みたいな曲とか、それこそSASUKEとかゲームで言ったら究極の操作系ゲームでしょう。これでテストプレイして100人に1人ぐらいしかクリアできない難易度設定にしたら、これはこれで出来上がりですよね。
それに対して、クリアできない人は単純に「Giftに依存するなんてひどい!」みたいな事を言うでしょうね。



他に何かあったら教えてください




じゃあ艦これってどんなゲームだっけ

とまぁそんなこんなでゲームにおけるクリア者数の絞り込み方と、その対策・勝ちパターンの導出と、勝てない場合に出てきそうな不満についていくつか考えてみました。その類型に当てはめてみた時に、艦隊これくしょんのイベントがどんな位置付けになっているのかについて考えてみようと思います。

まず、艦隊これくしょんは、ゲームとしてはえらい単純なつくりになっています。

基本的には4種類の資源の特徴を踏まえて「資源を増やす」「増やした資源を使う」の2つの作業を行っていく、というだけのものです。増やし方は「自然増」「遠征による取得」「攻略マップ上での取得」という3種類プラスαぐらいしかないですし、使い方も大きく分ければ「出撃」「建造」「開発」ぐらいしかありません。

艦隊のパラメータも、基本的にはレベルが上がれば能力が上がるのですが、「近代化改修」と言う方法でレベルの先食いが出来るので、一部の能力を除いて、基本的にレベルによる差はそんなに大きくはありません。


資源を増やして、資源を使う。この繰り返しでマップを攻略したり、新しい艦娘をゲットしたり、というのを繰り返していく単純な資源マネジメントゲーム、という事になります。以下ゲームをしてないとわからない表現とか出てくるかもしれませんが、そのへんは適当に流したらいいんだと思います。
そんな単純なゲームにおける、今回のイベントではどのようなハードルが用意されていたのでしょうか。


イベントのつくり

基本的には、難易度の高い(クリア者数が少ない)とされる、E-4とE-5ステージの話をします。両者とも多少の違いはあれども、イベントマップに出撃をしてボスを倒せばいいわけなんですが、それにあたっていくつかのハードルは設定されています。大まかに分けると以下の3つ

・強いボスを、限られた時間内に何回も倒す必要がある
・ボスまでの道中、相手の攻撃を食らったら撤退しなければならない
・マップの分岐点で、ボスに到達しない事がある

以下それぞれについて考察するんですけど、先に感想を書いておくと、やっぱり単純なゲームだけあって、ハードルと出来そうな、差を付けられそうな要素が少ないなぁ〜ということなんですね。となると、自然と「運」的なもので差を付けようとするのも、そうせざるを得ないのかな・・・と仕方ないのかなと所はある訳です。


以下3つのハードルについて


強いボスを、限られた時間内に何回も倒す必要がある

については、ボスを倒さないと話になりません。しかも、何回も倒す必要があります。ゲージ回復形式になっているので、1回ボスを倒しても、何時間か放っておくと、その1回が無駄になってしまいます。よって、そのゲージが回復する前にボスを倒さなければなりません。

攻略方法:ボスを倒しやすい艦隊を組成する、ボスを倒しやすい装備を組む、支援艦隊を出す、(それなりの)短時間で一気に何度もボスにアタックして倒す
ということになります。

依存条件:それでも100%倒せるわけではありません。装備が弱かったり、支援艦隊を出さなかったりすると、倒せる可能性は減ります。また、万全を期していても、プレイヤーが攻撃先を指定できるわけではないので、攻撃の順番によってはボスを倒すに至らない事があります。
→ボスを倒しそこねる確率α%



次の、


ボスまでの道中、相手の攻撃を食らったら撤退しなければならない

これについては、相手はボスだけではありません。途中のエリアに出てくる敵からの攻撃をよけたり、最低限のダメージで乗り切らなければなりません。ダメージが大きいと、こちらの艦隊が轟沈(ロスト)したり、相手への攻撃力が著しく下がってボスを倒せなかったり、と散々な目に合ってしまいます。そんな時はいったん撤退し、再度設備を整えて出撃する、ということになります。


攻略方法:士気を高めてダメージを軽減する、レベルを上げて回避値を上げる、敵の攻撃を食らう前になるべく倒せるように火力を強化する、等



依存条件:あくまで上記の方法は「攻撃を食らった時に大ダメージを食らう確率を減らす」というたぐいのものであり、一定の確率で道中大ダメージを食らってしまう
→大ダメージを食らう確率β%




最後の

マップの分岐点で、ボスに到達しない事がある

これは通称「お仕置き部屋」という、ボスじゃないエリアに行ってしまう事なんですね。これについては、基本的に運ベースと言うか、回避の使用が無い。一部回避しやすい艦隊編成、などというものもありますが、とはいえ一定の確率でボスには到達しません。
攻略方法:無し
依存条件:完全に運
→ボスに到達しない確率γ%

というここですね。ここが結構「完全に運」の世界になってしまっている最大のポイントかな、と思います。



どうしたらクリアなのか?

てな感じのハードルになっております。
以上を踏まえれば、単純なゲームなので、大よそどのくらいの出撃をしたら倒せるのか、というのが計算式で模す事が出来てしまいますね。



クリアに必要な出撃回数=必要なボスを倒す回数÷(1-α%)÷(1-β%)÷(1-γ%)



ということになります。
10回倒す必要があって、倒し損ねる確率が10%、ダメージ撤退の確率が10%、ボス到達しない確率が10%なら、
10/0.9/0.9/0.9=およそ14回、的な。
同じ10回でも、それぞれ30%、40%、50%なら48回というような感じになります。




んで、1回出撃して戻ってくるのに、ある程度の数資源を消費するわけですんで、勝ち方としては、上記で言えばある程度失敗する可能性を見込んだうえで、48回出撃するに堪えうる資源を用意して臨めば良い、ということになります。
先行して攻略した人たちの情報から、α、β、γそれぞれの数字と、多少なりともいい方に変動させる方法(α、β)はあるので、それを踏まえりゃ必要な資源もわかるだろうし、自分自身の運の可能性を含めたバッファを用意するなら、用意しておけばいい、というところでしょうか。これも先人の知恵から、イベント開始後数日ではある程度見えていた話。
ええと、「48回出撃が必要→48回分の資材を用意」、だとちょっとアンラッキーが重なったら資源が尽きてアウト、になってしまうので60回分用意しておく、とかそういう話ですね。


この辺が兵站のゲームとされるところで、多分ここまで用意したら、このゲームとしてはほぼ終わりなんですよね。個別の出撃については捨象されるというか、「48回分出撃出来る用意をして、48回の出撃を試行する中でクリア出来るかどうか」を競うゲームなんだな、という感じです。
なのでイベントの正しい進め方は、1回の出撃の結果で一喜一憂する事無く、淡々と出撃と次の準備をクリア出来るまで、繰り返す、というもの。
その過程で、30回でいけるかもしれないし、50回かかるかもしれないし、80回かかっちゃう(しかしその実70回分の準備しか出来なかったので残念ながらクリア出来ず)みたいなこともあるかもしれません。

(資源の量はあくまで運要素を補完するためのバッファなので、運要素そのものをどうにかできるわけではない点は留意。)



結局運ゲーというのは間違ってないんだろうとおもう

以上の事から、僕は基本的にこのゲームは「運ゲーだ!」というのはその通りだなぁ、と同意します。

資源があれば基本的には「運要素」をバッファとして取り込むことが出来るので、それだけの準備をしておけば80%クリアできはするんですけどね。ただおそらく一定数クリア出来ない人が出て来て、そういった人たちが「運ゲー」というのはもう外しようの無い本当の事なので、仕方ないなとは思います。私自身そっち側に転んでいる可能性だって十分あった訳ですから。


しかしまぁ、先ほど資源である程度運要素をカバー出来るという話をしました。そのあたりが足りずにクリア出来る可能性を30%とか50%ぐらいの段階で無理に攻めた結果クリア出来なかったとして、その時に「運ゲーだ!」というのにはあまり賛同できないな、という感じです。
やれることはあるだろう、というあたり。



では、どういうゲームであればよかったのか。

なんでこんな事になってしまうかというと、何度も言ってますがえらい単純なゲームのつくりなのでこういう確率めいたもので難易度を変動させるぐらいしかねえんだな、、、というあたりいろんな限界を感じたりもします。


さっき、変動要素の内αとβについては、ある程度確率を下げる事が出来る一方で、γだけは完全にコントロールできない世界になっているという話をしました。

より好ましいゲームのあり方としては、これをなくして、αとβの難易度をさらに上げるという調整も可能だったかもしれません。その場合は運<<<やりこみ要素(レベルを上げる、良い装備を持つ)になるので、やりこんだ人間ほど有利、という普通のゲームのような構造になります。現在誰にもコントロールできないγの存在によって、そこまでやりこんだプレイヤーでなくても救済される、という側面もあるんじゃないのかな、と思います。



あと48回連続出撃する時間取れねえとか、もどかしい、ってのはもあるのかなと思います。私の場合は別の事とかしながら、その合間合間にポチポチとボタンを押すだけで進められたのでそこまでストレスは感じませんでしたが、綺麗にゲームを1日1時間を守っている優等生プレイヤーが勝てないじゃないか!というような話は十分あろうかな、と思います。忙しい社会人の人とかね。

そのへんは「一度イベントが始まったら時間の条件がロックされる」みたいな仕組みがあってもよかったのかもしれませんね。そのイベントプレイ中は、ゲージの回復が無い代わりに、時間経過によるプレイ上の便益も一切なくなる、みたいな。
まぁそういうところまでうまく調整が出来ていない、追いついていない、というところなのかもしれませんね。

具体的には

今後、運要素(γのような)以外で、どのような方向性で難易度を調整できるのか。いくつか考えてみました。


・複数艦隊のコントロール
現状では6隻の艦隊だけで出撃してますが、これの数を増やしていく(現時点でも支援艦隊のシステムはありますが、よりコントロール性を高める)とか。その分敵が強くなって、どのように運用するかの自由度を高めていく


・パラメータの数、上限を上げる
艦隊のレベルの差を出す。これはよりやりこんだ人間を有利にするものなのですけどね。そのほうがフェア、という人もいるかもしれませんし、いないかもしれません。



・対戦要素の取り入れ
上記で言ってた難易度調整のパターン①の話ですよね。プレイヤー同士の対戦で勝ち抜いた人間だけが栄光を味わえる、的な。



というわけで、長々と書いてきましたがおおよそのまとめをまた再掲。



  • 艦隊これくしょんは、ゲームとしてはえらい単純な作りであるので、難易度を調整するための軸が不足している。そのため、運要素をある程度盛り込まざるを得ない。
  • しかし、その運要素によって救われている人もいると思うので、一概に運だからクソではなくて、運の良い人とそうでない人がいる、という話で理解するしかない。
  • 一方で、兵站のゲームとはよく言ったもので、ある程度の運要素は吹っ飛ばせるほど、資源は重要であり、資源がふんだんにあれば割と何とでもできる。
  • なのでプレイの仕方としては、クリアの可能性がある艦隊と資源を準備してしまえば、あとは個別の出撃の結果には一切一喜一憂する事無く、淡々と「資源が尽きるまで出撃を繰り返す」という事になるんだろう。(リアルプレイ時間の制約は多少の救済は必要かも?)
  • ただ、再度言いますけど、その単純すぎるゲームシステムが故に、難易度設定の軸を出しづらいあたり、こういったイベントをプレイさせるゲームとしては、次の広がりを出しにくい、ある種の限界なのかな、という気もする

というところでしょうか。

まぁその、わざと艦これのもう1つの側面である「キャラゲー」の部分を完全にすっ飛ばしてましたが、今後はむしろそっちの方向で突き進んで行くんですかね。

個人的な希望としては、ぜひせっかく立ち上がって来たこのキャラ達を使っていろんな旧作の名作ゲームをリメイク(あるいはオマージュ的な何か)するのとかやってほしいなぁと思っております。艦娘のキャラクターを使ったファイアーエムブレムタクティクスオウガダービースタリオンパワプロ提督の決断あたりが出来てくれたら僕はとても楽しくのめりこんでいくと思います。


いじょ

2013年広島東洋カープドラフトを振り返る

今日は一部の熱狂的な野球ファンが待ち望んだ、1年に1度の御祭りであるドラフト会議でした。私が愛する広島もその会議に参加し、5名の選手を新たなチームメイトとして指名致しました。今日はその指名選手を振り返って、来期の広島カープの姿をほわほわと妄想したいと思います。


1位 大瀬良大地 九州共立大 投手
2位 九里亜蓮  亜細亜大  投手
3位 田中広輔  JR東日本  遊撃手
4位 西原圭太  ニチダイ  投手
5位 中村祐太  関東一高  投手


◆まずは指名選手の所感から
といっても、テレビとかYoutubeとかで見てた感想ベースですけど。
1位の大瀬良君は文句無しの今年ナンバー1右腕でしょう。Max153km右腕と評判ですけど、145km前後のストレートをビシバシ外角低めに集められるので、まずは安定した成績を残せそう。少しスケールダウンした菅野みたいな感じ。
2位の九里君スラっとした体系から投げ下ろして行くタイプで、ストレートとスライダーのコンビネーションで攻めて行く感じなのかな。これまた外角にしっかり決められるので良さげ。亜細亜大の1つ上で東浜(現SB)がいたのでそんなに投げてない(使い減りしてない)のがポイントだけど、若干球威が足りないので、そのへんがどう出るか。
3位の田中は、左打ちである点以外は、走攻守3拍子揃っているところといい、体格といい、たまに出るパンチ力といい、大学社会人経由と良い、梵を非常に彷彿とさせる選手
4位の西原は、嫌らしいところに投げる中継ぎ向きのピッチャーかな。
5位の中村君は、甲子園のスターだよね。あのときは素晴らしいボールを内外にビシビシ決めていたんだけど、怪我を乗り越えて成長出来るかどうか。

というわけで、投手4名と野手1名。
投手は、全般的に内外の出し入れが上手そうな選手、コントロール重視で選んだのかな、という感じがしますね。


◆チーム編成から見た評価(投手編)
さて、ご存知の通り、広島カープは今季3位となりました。3位の原動力としては「ドラ1カルテットの安定した先発投手陣」と「キラ加入で厚みが出た打線」の2つがあげられておりますね。
というわけでその先発投手陣を見てみましょう。

前田健太  15勝7敗
バリントン 11勝9敗
大竹寛   10勝10敗
野村祐輔  12勝6敗

と、この四人で貯金を16個作っているんですね。中々どうしてこれだけの安定した投手陣が揃うチームも無い訳です。
しかしながら、チームとしては69勝72敗と、借金3となりました。この要因も判りやすいですね。その次にくる先発投手の5枚目がいなかったのです。

中崎が2勝7敗、中村恭が1勝5敗と惨憺たる状況。今井や久本あたりを動員してやっと、という状態。

そんなわけで、広島が次のステージである優勝に向けて本気を出すなら、それなりにやってくれる先発5枚目というのは必須だったわけです。
その欠けたピースにぴったりハマる投手として、大瀬良君を指名した訳です。これは非常に編成的に素晴らしいものだと思っています。


もう1つあります。今年の牽引力となったドラ1カルテットには、リスクがあります。それはチームを去ってしまうというリスクです。
マエケンは言わずと知れたメジャー指向、バリントンもあくまで助っ人なので、いつまでいるかわかりません。大竹は今期FA権を取得し、チームを離れる可能性もある。
となると、極端な話3年後このドラ1カルテットは

野村祐輔

1人になってしまう可能性が結構現実的なわけです。

では、その時にノムスケ君がエースになっているか、というとその辺を僕は疑問に思っています。どうしても球威に欠ける所を針の穴を通すコントロールでカバーする投球スタイル、投手のキャパシティをフルに使っている投げっぷりだと、中々ブレークスルーは起きなさそうだと思っています。今後も10勝7敗と、7勝10敗を行ったり来たりするような、なんというか、安定して先発の3枚目ぐらいに置いておきたいタイプというような。

一方今回指名した大瀬良君は身体も大きく、内外に出し入れが出来て、球威のキャパシティもまだまだ伸びしろがありそうにみえる。スケールが1段階上がって行った3年後に15勝とかバシバシ出せるピッチャーになりうる、次のエース候補としても、非常にきたいがかかります。


3年後、4枚中3枚が欠けてしまった時、ポストマエケン、ポスト大竹をどうするかと言った問題で、まずやるべきなのは今村の先発転向でしょう。今シーズンこそ、WBCからの疲労蓄積もありいまいち活躍出来なかったですが、投げているボールは抜群なので、先発に向けて調整して、変化球をもう1つつければ、十分先発の柱になれると思います。

あとは、先ほどの今井中崎中村恭平戸田あたりの覚醒に期待して行く動き。今回ドラフト2位の九里君は、まずこのあたりと比較をされて、出番を模索して行く形になるんだと思います。


さてさて、そんなところで今村を先発に回すと、中継ぎが足りなくなります。今回のCSでも、横山永川ミコライオの3人がほぼ回している状態。横山はもう年です。勝てるパターンの中継ぎが必要になる。その枠の候補として、西原が指名されたんだと思います。
欲を言えば、この枠が1枚でいいとは思わないので、もう1人ぐらい社会人投手を取っても良かったのかもしれません。この辺りは他球団の戦力外を拾ったりするかもしれませんね。

5位の中村君はまず怪我を治す事でしょう。幸か不幸か、カープの2軍には、若くて育成ルートに乗っている投手がそんなに多くありません。怪我を治して良いボールを投げられるようになれば、2軍のローテーション維持→1軍へ、というマエケンのたどった道を1年遅れで実現する事は十分出来ると思っています。今シーズンもう少し野手が豊作だったら2位で鈴木翔太君が取れたかもな、と思っていたのですが、思わぬ形で「未来のマエケン候補」を獲得出来たな、と思っています。




◆チーム編成から見た評価(野手編)
バリバリの即戦力遊撃手である田中を取りました。これのメッセージは明快でしょう。


遊撃手の世代交代


これです。


広島のショートは、梵というほぼ不動のレギュラーがいるのですが、膝に爆弾を抱えており、休み休み出場させたりと、慎重な起用が必要です。またそれがいつ爆発し、戦線離脱してしまうか判らない状況。
守備への負担を考えて、サードへのコンバート案は毎度出てくるのですが、梵自身がショートへのこだわりを持っており、中々その案を飲んでくれません。

その背景としては、梵を追い出すようなショートが出て来ない、というのも大きいように思います。結構積極的にショートの補強をしてるんですけどね、
2007年の高校生で取った安部は守備の安定感がたりない
トレードで獲得した木村はスーパーサブで置いておきたい
2011年に取った菊池は丁度セカンド(東出)の戦線離脱ですっぽりハマりセカンドのレギュラーに
2012年には上本を取るも守備の人で打撃は遠く及ばず、鈴木誠也も投手コンバートの高校生で先は長い
とまぁ、中々ショートを脅かす存在が現れない訳です。一番は菊池だったんだけど、見事にセカンドになっちゃいましたからね。


そんな中で今回指名した田中の役割は、単純明快ですね。「梵からショートのレギュラーを奪う」です。これによって梵自身の中で「サードでやっていくか」と決意させる事ですね。


田中がショート、梵がサードになると2つ良い事があります。

1つは、梵が堂林にとっての壁役になるということです。堂林はスター候補として見いだされて試合にずっと出されていたのですが、イマイチ壁を破れず、今期は怪我したあと、1軍に上がってくる事はありませんでした。これは事実上のレギュラー剥奪で、改めて這い上がってこいというメッセージに取れます。
そもそも、堂林が出て来たのも、「堂林を出さざるを得ない」チーム事情にあった側面もあるので、梵がサードに移れば、その必要はなくなります。つまり、堂林は自分の力でもう一度結果を出して行かなきゃならない、という立場になるわけですね。


もう1つは、高卒2年目の鈴木誠也をショートで育てる必要がなくなる、ということですね。
どうも二松学舎時代のプレーとか、今期の1軍のプレーを見てると、誠也はアスリートタイプで、難しい事をいろいろ考えながらプレーするタイプではなく、のびのび思いっきり打って走って!という方向の選手のようにみえます。そうなると適職は遊撃手というよりも、外野手、強肩を活かした右翼手あたりになるのでしょう。まずは来期、誠也高橋で競争して、迎が君臨している右の代打(外野手)枠を取って行くんだと思います。

2軍で育成する若いショートがいなくなる点では、来年以降で大型の高卒とかを毎年指名するとかそんな感じになるんだと思います。



あとはスラッガーですよね。井上を指名予定だったようですが、取られちゃったので仕方ないですね。
個人的にはキラとエルドレッドは、どっちも打率が低くて力のあるタイプなので、もうすこし率を取れる中〜長距離の強打者がいたら理想的かなって思います。その辺りを井上が担ったら面白いなと思っていたのですが、これも巡り合わせですからね。
キラは考えるタイプなので、来期適応して打率が上がる可能性はあるかなとは思ってます(エルドレットはないでしょう)



捕手の指名があるんじゃないか、って話もありました。
個人的には緒方君とか取ってほしかったですが、最終的に捕手の指名はありませんでした。
これは磯村、中村あたりの成長を見たんですかね。来期は磯村が倉のポジションを奪ったりすると楽しみですよね。


というわけで、今年は田中1人の指名でしたが、田中が今のチームに入ってくると、
・梵のサードコンバート
・堂林の危機感醸成
・誠也の外野コンバートと右の代打枠の競争

あたりが想定されるので、チームの層も厚くなるし、レギュラー奪取に向けた緊張感・競争意識も高まってくるので、最も適切なところにくさびを打ち込んだな、という印象です。



◆まとめ
投手は、補強ポイントであった先発5枚目とその候補、中継ぎ候補、将来のマエケン候補を取れたので非常にピンポイントな指名
野手は、一見??にみえるが、層の厚みにつながり、チームがいろいろ動いて行く起点となりそうな指名


であったと振り返る事が出来ます。強いて言えば、もう1枚の中継ぎ候補と、スラッガー候補が取れたら完璧でした、というところでしょうか。



いずれにせよ、今回指名された5名の選手を、1ファンとして歓迎し、全力で応援して行きたいと思っております。ようこそ広島カープへ!!

人間交差点レビュー第2話「海の時間」

人間、印象に残る思い出というものは、中々忘れないものである。それも2〜3年とか、5年とかのスパンではなく、10年、20年と忘れられない位強烈な思い出、というのも結構あるものだ。

10代の頃なんて、せいぜい印象に残る思い出なんて5年だったり、長くて10年ぐらいであろう。それは、何年か経てば忘れるようなもんかな、って当時の僕も思っていたのだ。しかし、、ずっと忘れないのだ。忘れない期間が、20年にもなり、おそらく30年にもなるのだ。それは、僕自身が年を取ることでうっすらと感じられるようになって来た事である。きっと、そうやってよぼよぼになって、昨日の事は忘れても、何十年前の事を嬉々として語るようなおじいちゃんになっていくのだろう。全ては、未来の自分の姿だ。


そして、そんな忘れられない思い出が、どんな内容のものであるかは、人それぞれである。自分に取っては忘れられない思い出となるような体験であっても、その別の当事者から見れば、次の日には忘れてしまうような、些細なことだったりするものなんである。ちょっと褒められて喜んだ経験、何かしらの恥ずかしい経験、そして愛した人の事。その思い出は、覚えている本人だけのものなのである。


人間交差点第2話「海の時間」はそういう話である。


ある寂れた港町の旅館の女中節子は、宿泊客である小説家の外村を相手に”お付き合い”をした。それは節子にとっては、初めて取った客であった。しかし、一夜を智にしていながら、

「あの人は気づいてくれなかった」

そう、その外村こそ節子が昔愛して、捨てられた男であり、彼の事を忘れる為にその寂れた港町に来て、女中として働き始めたのだった。
それから10年が経ち、彼女の目の前に再びその男が現れた。そのとき、彼女は今までした事の無かった事をした。彼を客として取ったのだ。

旅館の女将さんは、そんな節子に「どうしてそんな男と寝たのか」と問いつめる。節子は
「私も お前の事なんか忘れてるってッ・・・・そう思いたかったんです。
抱かれながら、お前が私をすっかり忘れているように、私もお前を忘れているぞ、稲野私に取っちゃ、男なんて皆ただの客だぞって・・・
心の中で笑ってやろうと思ったんです」
と答える。

しかし、笑う事は出来なかった。

「男と女ってなんなんでしょうね」と節子は物憂げにつぶやく。


外村が小節の取材旅行を終えて帰途につく時、節子はある思い出の品を身につけて彼と何気ない会話をする。そして最後に彼は気づくのだ「もしかして君は・・・・」
しかし、時既に遅く、船は出発していた。節子は毅然と「いいえ、人違いです」と答える。

外村が水平線に消えて行った後、節子はその思い出の品を海に捨て、港町を離れる決意をする。ようやく彼の事を忘れる事が出来、そしてそれを笑う事ができるようになったのだ。



この話はまさに、「自分自身が忘れられない思い出は、いつまでも忘れられないものだ」「そしてその思い出を、その相手の人間は得てして忘れているものだ」ということの、自分と相手の圧倒的な差を感じずにはいられない話である。辛い思い出を持っていると、幸せになれないのかもしれない。

若い頃は、ただの情愛で結びついたただの男と女であった。しかし、その二人はある時捨てた男と捨てられた女に変わる。その思いと、10年の歳月。10年の歳月は2人を変える。思いだけでなく、社会での立ち位置も。辛い思い出を持った人間が、つらい立場にたち、忘れた方はのほほんと地位を得たりする。そういう対比を嫌が応にも思い起こさせるのだ。


この話は、節子が港町を離れる所で終わっているが、私はその後の事を考えずにはいられない。節子はおよそ30歳前、というところであろうか。当時の価値基準であれば、もう1つの人生を終えて、「第二の人生」を迎えるような年齢である。それでも、一つの辛い思い出を、相手にも味合わせて昇華出来た彼女の次の人生の幸福を願わずにはいられなくなってしまう、そういう話でもあった。

映画感想:風立ちぬ

見てきました。土曜日に見て来たんだけど、土曜日は酔いつぶれ、日曜日は選挙で落ち込んだりしていたので、今日の更新となりました。



見ていてじわじわとした感動が続き、映画の後半はもうずーっとウルウル来っぱなしで、涙をこらえるのに苦労しました。先日レ・ミゼラブルで大泣きしてしまったので、今回も泣いたらただの映画見てよく泣くおじさんになってしまい恥ずかしいので、必死で我慢しました。そんな映画です。



そりゃもう、子供が飽きて通路を歩き回ったりしますよ。子供が通路歩いてるのを気にしないぐらい親が見入っちゃうような映画だと思います。はっきり言って子供は見るな!で全然構わないぐらい、大人の人向けのアニメでした。


ちらほらと、ネタバレ感想ブログが上がりつつあるのですが、全然情報を持ってない人は、まず見に行った方が良いと思います。素直に見て、自分の心の中にじわじわこみあげてくるものを感じながら、これからの生き方を考えればいいでしょう。
以下、あんまり映画本編の事前情報として知らないほうがいいものは入れないように気をつけて這いますが、感想文の中に映画のあらすじとかが多少織り込まれているのはご了承ください。





僕は、この映画は、大人、その中でも、こんな大人にお勧めなのかなって思いました。


ジブリアニメのメカが好きな人
主人公は飛行機の設計士です。彼が設計した飛行機が沢山空を飛びます。飛行機がバンバン飛ぶと言ったら紅の豚なんですけど、対比として面白いなって思ったのは、紅の豚の主人公は飛行機乗りで、風立ちぬの主人公は設計士なんですね。だから、彼の目線で飛行機に乗って空を飛ぶシーンというのはほとんど出てきません。冒頭に少しだけ出てきますが、それはまた彼が設計士を目指すきっかけともなるワクワクするシーンでね。


そんなわけで、飛行機にのって空を飛ぶのが爽快、という部分ではなくて、飛行機の制作過程と飛行機の美しさを味わう、という形になっています。設計図の作り込み、より軽い飛行機を作り上げる為の様々なアイデア、出来上がった飛行機の細部の構成とか、そんなところまでキチンと描ききっているのは、宮崎駿の軍事オタクなところが出ていると言えるのではないでしょうか。



②仕事人間
主人公は、東京帝国大学を主席で卒業し、三菱に入社する超エリートです。そんな彼は、軍部の依頼により様々な軍用機を設計します。当時の日本の飛行機技術はまだまだ最先端からはほど遠い状態。そんな中で、少しでも追いつこうとドイツに視察に行き、最先端の技術を肌で感じる。寸暇を惜しんで設計に没頭し、より良い飛行機を作り上げる為に、仲間達と夜遅くまで議論を交わします。失敗してテスト飛行で試作機が墜落し、他社に受注を取られてもしまいます。そんな挫折を乗り越えて、最後には画期的な飛行機を作り上げる訳です。


これって、何かに似てますよね?そうです。プロジェクトXです。この映画は、堀越二郎という卓越した飛行機設計士がすぐれた飛行機を開発するまでのプロジェクトXとして見る事が出来ます。ラストシーンでヘッドライトテールライトは流れませんが、男たちの努力と苦労、挫折とその先にあるものを描いているという点で、自分自身の仕事を振り返って明日から頑張ろう、と思わせるには十分な内容です。



③人を愛した人、そしてその人と一度でも愛を誓い合った事のある人
この映画の主人公は、最愛の人と結ばれます。しかしその相手は、結核を抱えています。

堀辰雄といえば、サナトリウム文学の唯一無二の第一人者であり、風立ちぬは彼の代表作であります。サナトリウム文学といえば、当時結構不治の病に近い物があった結核を患ってしまった人間の、行きたいけど生きられないという苦しみと、人と人との愛情とを表現していた小説たちのことですね。あとは魔の山とか。私は堀辰雄は美しい村が好きですけどもうどうでもいいですね。

そんなわけで、映画では実在の人物である堀越二郎の人生に、その堀辰雄の小説の登場人物の人生をオーバーラップさせることで、この映画における「堀越二郎という人物の人生」を作り上げているんですね。

つまりですよ、プロジェクトX級の仕事人間である堀越二郎が、結核を抱えた彼女と出会って恋に落ちて結婚する訳です。病気療養には離れて暮らさなきゃならないんだけど会いたくて彼のところに来てしまう、彼もまたずっと看病をしたいんだけど、仕事はしなければならない。そんな葛藤の中、二人はどうやって生きるか、という事を彼らなりに考え、行動に移して行く訳です。

そんな二人の生き様が、平坦なシーンの中のちょっとした表情、ちょっとした台詞の端々に現れて来て、その情景がジワジワくるわけです。


生きて行くって、そういうことだよね、と。



まぁ他には、宮崎駿が老いてなお盛んでありながら、黄泉の国に片足突っ込んでるな〜と感じられる映像の演出だとか、上司の奥さんが超いい人とか、まぁいろいろあるんですけど、その辺は蛇足なんでどっか別の機会で。



とにかく、いい映画でした。

「マイホーム買ったばかりの奴を転勤させる」って会社にメリット無いよね

マイホーム購入直後の転勤はもはや様式美だよね | 日系パワハラ
http://nikkeiph.com/myhome/

これを何日か前に読んだので、関連してすこし考えてみました。


その結果、私が言いたいのは以下の2つになりました。
①転勤のある可能性がそれなりに高い仕事で、その場合を想定しないで家を買うのはアホなのではないか。
②「”家を買った人間を”転勤させる企業はひどい」というか、そんなことする会社なんてめったにないぞ???
というところでしょうか。



以下、そこに至るまでに考えた事です。

まず転勤が発生する状況を類型化してみました。基本的に転勤が発生するのは、以下の3つ(あるいは4つ)の場合である。
①ジョブローテーション、育成の一環として。
最初の2年間とかで工場から販売からサポートとか、ひととおりの業務を学んでもらう、なんて話。あるメーカーでは、いきなり新人を新興国も新興国、南米とかアフリカの事業所に放り込んで製品を行商させたりする。そうやって商売のイロハを学んで本社に戻って営業の担当に、、、みたいなケースもあるよね。
まぁ少し上の話になってくると、本社で経理を担当させてた人を、地方とか海外の子会社で部長とかで吹っ飛ばして、担当レベルではわからなかった経理の1~10を学び、管理職としての実務経験をしてもらうとかそういうの。
②その人が必要な場合
例えば日本市場が中心だったけど、日本の市場は頭打ちなので、次はアメリカだ!アメリカ市場を開拓しなければ!という風に経営者が決めたとする。優秀な成績を上げていて信頼できる国内の営業所の所長さんを、このたびシカゴ事務所の強化のために移ってもらう事にしました、というようなケース。
元記事の会社のように、割と東京一極集中だったりすると、ある程度必要な人間が一定数出てしまう、、、って事はありますよね。


③左遷
業績が上がらず出世できなかった人間が人減らしのために子会社や関連企業に飛ばされたり、派閥争いに負けた人が窓際に追いやられたり、まぁそんなこともあるんでしょうね。


④家庭の事情
奥様の実家の両親が倒れ、看病のために京都に移ってしまった。数か月後、旦那の京都転勤が認められ、無事家族が合流できることに。


もちろん、個々の転勤の話が上記の①~④の理由に明確に分かれるわけではなくて、実態としては①と②の複合だったり、②と③と④が微妙にかぶっていたりするわけですが、類型化するならこんな感じかなぁと思うわけです。


転勤における①のケースは、20代のまだ業務経験がほとんどない頃から、1人前の社畜おっとビジネスパーソンとしてやっていける30代後半ぐらいまでですかね。
②は、現場メンバーとしてしっかりやれるようになる30代前半から、40代中盤~後半ぐらいまでってところでしょうか。
③はわかんないけど40代以降で~みたいな話ですかね。
④はいつ発生するかわかんないよね。(”家買った直後”みたいな文脈で言えば、それこそマイホーム入居翌日に親が倒れちゃうかもしれないしね。)


そうするとまぁ、転勤というのは(それが発生するような業務においては)年代関係なく発生するわけです。
一方で、家を買う年代てのもありますよね。大体30手前~30代いっぱいぐらいで買う人が多いんじゃないですかね。するとアラ不思議、「家を買ったばかりの人間が転勤!」というケースが発生しますね。
そりゃもう一定の確率で発生しますよ。「あいつは家を買ったばかりだが、会社としてはどうしてもあっちで活躍してもらう必要があるから、申し訳ないが単身赴任してくれ」みたいなケースが。あるんです。


あるけれども、それは「転勤してほしい人間が”たまたま”家を買ったばっかり」という場合であって、「家を買った人間を転勤させる」とは全く異なるものである。ということは考慮しておかなきゃならない。
転勤者選定の条件の中に「家を購入した人間を優先してリストアップする」みたいな条件があるかというと、そんなことしても会社側のメリットってほっとんど無いんですよね。知り合いで結構いろんな会社の人事の人とこういう話をしたことありますけど、そんな話は聞いたことがないですね。

逆に考えればさ、じゃあ「家を買ってない人間を優先的に転勤させる」とかだったら、そっちの方が問題のような気がするし、そんなヘンな条件は普通に考えたら設定しないでしょ、って話よ。

少し考えてみると、30代とかの持ち家率がかなり高くて「転勤するのはほとんど家を持っている人間である」みたいなことは起こりえそうですけど、そんなの当たり前の話だよね。
もう一つ僕が思っていたのは、元記事のブコメにも書いてた話ですけど、「転勤ってのは誰もが発生するけど、持ち家じゃなかった人間は『持家じゃなくてよかった・・・』と胸をなでおろし、家を買った人間、特に買ったばかりの人間が『ぎゃああああ買ったばかりで転勤だあああああ』と大きな声で騒ぐから、そんなケースが多いように感じられるだけなんじゃないの・・・?」というもの。
とまぁここまで、「社会の仕組みをわかってないオッサンの妄想乙wwwwwお前の観測範囲で聞いたことないだけだろwwwwww世の中厳しいんだよ馬鹿がwwwwwwww」で片付いちゃうような話でしたね。
というわけで考えてみました。
まず、①のケースで転勤しない道はあるかどうか。まぁ多分あるんでしょうね。ジョブローテーションの一環としての転勤というのであれば、逆方向のキャリアを志向すればいい。つまり、同じ仕事をやり続けたい、というもの。そうした道をある程度先決めしておけるのであれば、ローテーションであってもそんなに長い期間放っておかれたり、という事は無いんでしょうね。
問題は①の例の後者で上げた管理職としていろいろ経験してもらうために、敢えて子会社とかに飛ばすケースですよね。これはさっきの「同じ仕事してます」ってのから、いろんな不測の事態、例外事項を経験してもらうための措置であったりするので、中々回避方法が難しいですね。俺は管理職なんかにはなりたくない!といったところでしょうか。
②を回避する方法は「代わりにあいつのほうが適任」と推薦する、とかですかね。あるいは代わりの人を雇ってもらうとか。
結構エキセントリックな会社では、②の例でシカゴ所長を雇ったりしますよね、それで日本の所長はクビになるんですけどね。クビと転勤どっちがいい?って恐ろしい話ですね。
ただ共通点として言えるのは、①②あたりは、結構仕事内容によって転勤が発生する可能性が高いか高くないか、というのは割かし容易に想像できることなんですよね。人員配置の流動性的な話で。そう考えると、転勤可能性が高いのに敢えて家を買うのは、なんでなんでしょうね。その家をどうするのかのプランをちゃんと作っているのであればいいですけど、そうでないのに家を買ってしまうのは、、、まぁアレですよね、勢いですよね、仕方ないよね。オホホ。
③はなんかわかんないけどもう、闘争!の世界なのでよくわかりません。
④は省略。④が許されるのは有難い事だよね。こういう話は結構聞きますね。
まとめると、
やっぱり少なくとも「家を買った人間を転勤させる」という行為は合理性に欠けているし、会社にとってのメリットは無いわけです。
それでも、たまたま家を買った人間が転勤対象になってしまうことは往々にしてある。だが、家を買ってない人間なら優先的に転勤させるとしたら、それはそれでおかしい。
家を買った人間を転勤させないために、他のエリアで人を雇うと、そりゃもう仕事量は変わらず一方人が増えるわけですから、「誰かがクビになる」世界ですよね。




ではどうするのか?という所にもチラッっと言及しておくと、そんな事をしている会社がもしあるんだとして、そんな会社にて「家を買った」という理由で転勤を命じられたとしたら、とっととお辞めになる事をお勧めしますね。


なぜなら、会社にとってメリットの無い非合理的な人員配置をしている会社なんて、遠からず競争力を失って潰れるか、何らかの苦境に陥ってしまうことでしょう。
仮に、ずっとそんな非合理的な事をしていても、苦境に至るような気配がないのだとしたら、それはその会社が、誰をどのように配置してもちゃんと好業績を上げられるという、極めて優秀な人材が勢揃いな会社である事は間違いありません。そんな優秀な人材を多数抱える会社の構成員の1人である貴方自身も大変優秀である事は間違いないので、無理だと思った転勤命令を受けたら、さっとおやめになって新天地で活躍しましょう。

というところまで考えました。以上。




あっちなみにこの文章はリンク貼ってますけど元記事を貶めようとしたり反論しようとしたりしている意図はございません。いつも「あるあるーwww」とか思いながら楽しく拝見させていただいております。では何で書いたかというと、元記事に乗っかって支離滅裂な提灯記事を書いたイなんとかって人に対するあてこすりであることをここに明記しておきます。

俺史上最長プレイ時間ゲームであるところの栄冠ナインへの愛

みなさん、高校野球好きですよね。僕は好きです。
高校野球って、球児たちの輝いている姿、頑張っている姿を見て「カッコイイ!」とか「俺も頑張んなきゃな」とか思ったりするわけですよ。野球そのものの面白さに、極限状態での何が起こるかわからない感じとか、まぁそういうのもろもろですよ。


一方で高校野球好きだったら、「メイデン」とか「トコハ」とかそんな言葉があるのはご存じでしょう。よく知らない方に簡単に解説します。「メイデン」というのは、”愛工大名電”の略称です。愛工大名電っていう学校は、ランナーがでるとほとんどのケースで送りバントをしてきます。ガチガチに送りバントを多用する戦略であることから、いつの間にか送りバントの事を「メイデン」と呼ぶようになった、というものです。「トコハ」というのはその逆で、名前の由来となっている常葉菊川高校はランナーが出てもほとんど送りバントをせず、ブリブリフルスイングかましてくることから、強硬策をとっていくことを「トコハ」と呼んだりするわけです。


はい、そんなわけなんですけれども、今出てきたような言葉の主役は高校球児ではなくて、学校とかチームの特徴だったりするんですね。不思議な事に、選手は3年で卒業していって、毎回違うメンバーが甲子園に来ます。にもかかわらずある一定の学校は、先程のメイデンのように、毎年毎年ほとんどおんなじチームの特徴を持っていたりするわけです。これは不思議ですよね。
ただそらには当然と言えば当然なんですが、こんな風に特徴あるチームを作っている人間がそこには介在してるわけで、つまり監督というわけです。
監督がチームを作っているから、毎年違うメンバーでも、似たようなチームが出来上がる訳です。


甲子園なんかでよく、「あそこは初出場だからいざというときに競り負けるぞ」とか言われるじゃないですか。あれもほとんどの選手にとっては甲子園なんて初めてで、そして二度目を経験することなんて滅多に無いわけですよ。それなのになんで初出場がそんなディスアドバンテージ扱いされるのか。それも監督のチームづくりのことを指している訳です。


選手にとって高校野球は一瞬の輝きですが、監督にとっては十年がかりの大事業と言うわけです。
監督が大事というのはわかりましたね。


一方で、高校野球を舞台にしたドラマやマンガなどは、たいてい選手に注目しています。選手の輝ける青春時代の三年間を追いかけて、そこで終わりです。
監督に商店をあてた作品もありますが、パターンは大体同じです。「かつては名選手だったが色々トラブル起こしたりして弱小高校に監督として赴任。チームの今までの雰囲気とかと衝突するが選手の才能を見出だしたりしてくうちに徐々に信頼関係を築く。そんな一年が過ぎたところでクセのある天才肌が入学してきて、監督はかつての自分の姿を重ね合わせつつ、この学校を真剣に甲子園に連れていくことを決意し、生徒に猛練習を課す。そして、、、」という感じで、せいぜい2、3年のストーリーしか描かれないのが定番です。


そんな高校野球の監督十年事業に着目した作品は無いのか!と嘆いている私にうってつけのゲームがあったんです。


それがこちら、パワプロ15、あるいは2009のサクセスモードのひとつである栄冠ナインです。

このゲームは、従来のパワプロとは全く異なり、自分自身は野球をプレイしません。高校野球の監督となり、選手たちに練習の指示と成長方針の指導と試合での采配を担当します。それで甲子園を目指したり、教え子がプロに指名されたりするわけです。(そこで指名された選手をパワプロ本編で使えるというわけ。)


監督目線ですので、選手たちは順次卒業していきます。次の新入生がはいり、また卒業。そんなループですが、練習機材は揃い、OBたちは増え、チームは徐々に強くなっていきます。そして、普通にプレイしていれば、10年から15年で強豪校の仲間入りを果たすことが出来ます。


そうです。まさに高校野球監督の十年事業を肌で感じることができるのです。
監督の仕事は終わりがありません。さらに強く甲子園常勝にはどうするか、はたまた最強のスター選手をどのように育て上げるか、なんてテーマにもハマります。はたまた、油断から弱小チームにあっさり負けたり、そこから長い暗黒時代に入ったりもします。そのへんはゲームバランスの調整なんでしょうけど、浮き沈みの激しい高校野球の世界をよく表していると思います。


加えて、このゲーム、シンプルであるが故にプレイヤーの妄想を盛り込む余地がふんだんにあるのも魅力のひとつですね。新入生の能力値を見て、こいつはシニアでやってたエリート選手だが、こっちの選手は基本身体能力は低いけど、いざというときに使えるクラッチヒッタータイプだな、とか勝手に選手の属性を脳内補完して楽しんだり、大会でよく当たるチームの監督とは、実は選手時代に因縁のある相手で、、、とかストーリーを補完したりしています。




俺栄冠廃人、2500年に突入 - 日刊やきう速報@なんJ http://blog.livedoor.jp/yakiusoku/archives/53947623.html


その結果として、このまとめサイトの1はこのゲームを500年ほどすすめてしまった訳ですが、僕はこの気持ちすごくよくわかります。新入生が入ってくるワクワクや、選手がスクスク育っていき、勝ったり負けたりする姿を見てるとやめられないのです。異常なレベルの中毒性です。


多分僕も延べ年数にしたら同じぐらいやってる気がします。一年あたり2時間程度はかかりますから、1000時間ぐらいプレイしてることになります。


恐ろしくなって僕はプレステ2もろとも捨ててしまいました。そうでもしないとやめられません。一度ソフトを破壊しましたが、はんとしもすると中古屋さんをまわってる自分がいました。
どんなに強いチームを作ろうとしても、なかなかうまく行かないんですよね。最高のチーム状態で最高の新入生が入って、彼らが3年間最高のパフォーマンスを出す事なんですけど、どこかでつまづくんですよ。どこかでつまづくと、後の代に影響を及ぼすので、次のチャレンジまでまた数年かかってしまうんですよね。その間にもどんどん新入生は入ってきて、どんどん卒業して行く。この無限ループよ、、、


僕の願いはただひとつです。PSPパワプロ2009をダウンロードプレイ出来るようにしないでください。また、パワプロの新作に栄冠ナインをもう入れないで下さい。コナミさんよろしくお願いします。


また、僕より自制心があって、高校野球が好きでシミュレーションゲーム、育てゲーが好きな人にはこれほど向いているゲームも無いと思いますので、ぜひ1度トライしてみてください。これほど高校野球の夢とロマンが濃縮されたゲームはそうはありません。
中古屋何軒かまわればあるでしょう。パワプロ15か2009ね。パワプロ14のはバランスが悪いから手を出しちゃダメだぞ!

国際政治事関連で、地道に草の根アピールするためのマニュアルが欲しい


何日か前の記事だけど、こんなのを読みまして。


安倍首相、排外的デモを非難=フェイスブックで呼び掛けへ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130507-00000107-jij-pol



基本的にはその通りで、「ナントカ人は日本から出て行け」みたいな話ってのはただの差別でしかないですし、百歩譲って「それには理由がある。向こうがひどいからだ」と言っても、同じアプローチで攻めていてはただの泥仕合で、第三者からはどっちに与するみたいな話にはならないんじゃないかなって思います。


一方で、世界のいろんなところでロビー活動とかで「日本が悪い悪い!」ってなると、それに引きずられて行ってしまうという事態に、なんてことも十分あり得るわけです。それに対して「いやいや、この何十年かの日本が何して来たと思ってんの?何を時代錯誤な事を言ってるんだ???いくらなんでもそんなの無いでしょ、放置でしょ」みたいな感じで放置しておくと、結局「アピール勝ち」みたいな話になっちゃうのは心配事ですね。



そんなわけで、政治レベルとか、経済人レベル、その他のレイヤーで「言うべき事はきちんと言う。ただし紳士的な態度で、おかしな事を言わない」とかそんな事をし続けて行くって事なんでしょうけどね。


そんな時に、「じゃあ何をアピールすれば良いの?」というのに対して、基本的にあんまり確たる答えを持ってないような気がする。「えっと、、、何十年も平和でやってきてるんだけどその実績はどこへ・・・??みんな年取っててゆるやかに死んで行くだけなんだけど・・・?条約で片付いてるし・・・?今の時代、これからの世代について何の実害が・・・?」みたいな事がモヤモヤっと羽化分んだけど、うまく筋道立てる形で世界にアピールするストーリーがよくわかんないんですね。


そう言った意味で、「紳士的に、かつ毅然とした態度で国際社会にアピールして行ける」ストーリーのひな形、マニュアルみたいなのがあったら便利だなぁとか思う訳です。個々人の率直な感想、という色づけはあるにせよ、それ以前のレベルで今問題が起こっている事に対して「穏当な」アプローチを取って世界を味方に付けて行く基本路線みたいなのが欲しいなって思ったんです。


まー私たちも、海外旅行とかの行った先でそんな説明事案に巻き込まれる可能性って十分ある訳で、その時にあんまり適当な(あるいは過激な)事を言ってしまって、せっかくの小さなチャンスをフイにするのも勿体ないな〜などと思ってます。


その辺りの役目を教育が担ってくれてると有り難いですが、そんなメニューは結構タッチーなので現場で避けられてる父子があるし、やっぱり教育受ける人たちの年齢層だと緊迫感がなくてそこまで危機感覚えないってのもあるかもしれませんので、そういう想定問答集みたいなのをある程度用意して共有しとくってのは大事なのかなって思いました。


まぁまずは自分で作れやクソがって言われそうですけどね。