コミュニティに属する事で個人の活動が加速していく

学生の頃、アイドルの追っかけやってたときの話。


最初はさ、普通に適当に写真を集めたりCDを買ったりぐらいの感じだったのです。それがある時ネットでお友達と知り合ってちょくちょく遊びに行くようになってからが本格化。みんなで集まってワイワイ情報交換したり、全国ツアーについていってコンサートを見に行ったりと、大変どっぷり浸かっておりました。


結局そのときなんでそんな風になったかというと、「そのアイドルの好き度が高まった」という訳ではまったくなく、「お友達と仲良く遊ぶ為の手段としてそのアイドル周りの活動が手っ取り早い」だったのです。
例えばこんな感じ
・会話を楽しく盛り上げる為には、そのアイドルのグッズなり何なり集めてその話をするのが手っ取り早い
・全国ツアーについて行く事で、各地各地に点在している友達と会う事が出来る。半ば友達に会う為の手段として活用


このように、同好の人間が集まって目標を同じくする人間のコミュニティが出来ると、その同好の目標に向けた活動がエキセントリックに加速して行く、というケースはままあるんだと思います。コミュニティ内の人間関係構築だったり、プレゼンスを高めようとするなりの過程において、そのコミュニティの主たる活動をより積極的に行おうとするインセンティブが働くんでしょう。内向きの論理が結果として個人の行動力を高めて外向きの結果につながる、的な話。


よく考えると、これってどんな活動でも割と当てはまるような気がします。例えば企業活動なんかでも、「隣のライバルのあいつに負けたくない」みたいなインセンティブが働いてガンガン仕事をし結果会社が成果を出す、みたいな。あるいは政治デモとか宗教活動なんかで、「あの人と知り合って仲良くなってしまったから、またあの人に会う為に”自分自身その活動にそれほど興味がある訳ではないけど”参加してどんどん活動してしまおう」みたいなロジックで広がって行く事って、往々にして存在しています。


なので、「人の活動をどんどん進めたいなら、その活動のコミュニティを作れ」というのが割と正しい方針なような気がします。



多分、その際に気を使わなきゃ行けない事として、「目標関連のメンテナンス」ってのがあると思います。大体、放っておくと変な方向に向かい始める、という話。
例えば、前述したアイドル関係のお友達達とは、仲良くなって次第にそのアイドル関係なしに集まるようになります。みんなで遊びに行き、麻雀したり、全然違うバンドのライブに行ったりと、もはやコミュニティとして当初の目標であったおっかけ活動と関係ない事ばっかりするようになりました。それでだんだん疎遠になっていって、、、という話ですね。


「コミュニティ内で人間関係を形成したりするための手段として、そのコミュニティの目標とする活動をする」というインセンティブはある程度いくと、「コミュニティで十分仲良くなったので、その活動をしなくても十分人間関係を構築出来る」というステージに移って行きます。
対策としては、「そうさせない為の高い目標を継続的に与え続ける」か、「短期集中型でワーっと活動してヒットアンドアウェイ方式をとる」かってところなんでしょうね。

後者の手段で、熱病にうかされたみたいに大きな活動に繋がったものとして、全共闘の運動とかそういうのを見て行くと面白いかもしれないなって思いました。「結局は理想に燃えていた、というよりはみんな楽しそうにしてるから僕もと思った」ぐらいの感じでみんな参加してたんじゃないかな。